
虫歯の部分を削って詰める治療です。
虫歯とは細菌によって歯が欠けたり、溶けたりする病気です。
基本的に細菌に感染した部分は元には戻らないため、削って修復することになります。
では“削って詰めるだけでよいのでは?“と思いませんか?
そうなのです。悪いところだけをとって詰めることができれば一番良いに決まっています。ですが、これがなかなか難しいのです。
虫歯の菌はエナメル質という歯の外側の部分より、内側の象牙質に侵入してからの方が進行するスピードが速いため、ちょうどフラスコのように入口より中で大きく広がってしまいます。
つまり悪いところを全て除去しようと思うと健全な部分も大きく削る必要がでてくるのです。思ったより大きく穴があいてしまうのは上のような理由からなのです。
結果として、強度を確保するために金属で修復することになってしまいます。
虫歯の進行度
虫歯は、進行度によって、CO、C1、C2、C3、C4の5段階に分けられます。
- CO
- ごく初期の虫歯
- C1
- エナメル質に限局した虫歯
- C2
- 象牙質まで進行した虫歯
- C3
- 神経まで達した虫歯
- C4
- 歯が崩れた末期の虫歯
レジン治療について
当院ではルーペ(3〜6倍)・音波・超音波器具など様々な器具を使用して、健全な部分の削除を最低限にしつつ悪いところだけを取り除き、プラスチック(コンポジットレジン)をつめていきます。
そうすることによって、即日で修復可能な上、色も白くなります。もちろん強度は金属より劣るため使用できる範囲は全てではありません。
しかし、それを上回るメリットがある限り、できるだけ修復できる範囲を広げていこうと考えて日々診療しています。
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■ 注意点
全ての虫歯がレジン治療で修復できるわけではありません。虫歯が大きくなっていくに従い削合後の窩洞も大きくなるので、強度や修復後の咬合も考えて金属で修復することも多いです。
また虫歯が大きすぎて神経を残せないような場合は先に歯内療法の適応になります。個人の咬合力や習癖等によっても適応範囲は各々異なりますので、詳しくはご相談ください。
■ 治療後(レジン充填後)の写真

虫歯治療に関するご質問
- 削る時に痛みはありますか?
- ごく小さな虫歯であれば多少振動を感じる程度で、痛みは感じません。
内側の象牙質まで進行すると痛みが出てくるので、麻酔をします。麻酔時もできるだけ痛みを軽減させるために、表面麻酔剤を塗布した後、注射します。
麻酔をするかどうかは、患者さんと話して決めていきます。
- レジン治療は保険の範囲でできますか?
- 可能です。
但し、窩洞が大きくなったり、審美的にさらに追及したいというご要望がある場合には、保険外での治療(ダイレクトボンディング)をお勧めいたします。
- ダイレクトボンディングと保険内のレジン治療はどう違うのですか?
- 基本的な手技は保険内のレジン治療となんら変わりません。
しかし、保険内のレジン治療では使用できる材料が限られているため、細かい色の彩色ができないことが多いです。
また最終研磨までのステップは結構多いので、限られた時間で行おうとするとエラーがでやすい傾向にあります。
精密な適合や審美的な希望にお応えするには、より良い材料と時間が必要であるということをご理解ください。

